私って不妊かも?と思ってからよく思い出すエピソード

私がまだ20代後半・独身だった頃の話です。
私の友人が双子を生みました。
双子の子ども達はとてもかわいらしくて、私は双子ちゃん達の成長を見るのがとても楽しみでした。
友人は結婚後1年以内に第一子を授かっていて、その2年後に双子を出産しています。2歳差ですね。
不妊治療はしていませんし自然妊娠です。
ある日のこと、双子のママである友人がメチャメチャ怒りながらある出来事について話してきたんです。
「ねぇ!!ちょっと聞いてよ!!!この前、子ども達を連れて公園に行ったらさぁ、全然知らない女の人にいきなり話しかけられてさ。双子かわいいですね〜。って。」
「うんうん」
「最初は普通に話してたんだけど、双子ってことは不妊治療してたんですか?っていきなり聞かれたの!!!はぁ!??何この女!?もぅ!本当に失礼だよね!!!普通に産んでるっつーの!!!不妊治療なんかするわけないじゃんね。初対面の人にいきなりそんなこと言ってくるなんて頭おかしいよね?」
って、友人がめちゃ怒っているのです。
当時、独身だった私は子どもを産むことの現実味もなかったし、ましてや不妊治療についても知識も全くなかったので、友人の怒りにいまいち同調できなかったんですよね。
(たしかに、初対面でする質問としてはだいぶ踏み込んでるけど…そんなに怒らなくってもいいんじゃないかな?もしかしたら、その女の人は子どもできなくて悩んでいたんじゃ?)
って思ったけど、独身で子どものいない私が何を言っても説得力ないよねと感じ、友人の怒りが収まるまで私はあいまいな相づちをしてなだめるしかありませんでした。
日常の会話の一コマだったんですけどね。
今になってこの出来事をよく思い出すんです。
普通に妊娠・出産できた人にとっては不妊治療は普通じゃない事で、治療したか疑われるだけでも恥ずかしくて屈辱的なことなのかなぁ?とか、そんな風に考えてみたり。
友人に話しかけた女性の背景や心情をあれこれ想像してみたり…。
あれから10年近くの年月が流れているけど、友人はこの出来事を覚えているのかな・・・?
友人自身が不妊(治療)に関する経験を全くしてなくても、自分の友人とか周りの人の中に不妊で悩む人が出てきたり、そういう人と会話することって、あれからあったりしたのかなぁ?
今現在はどういう考え方をもってるんだろう?
私が結婚3年目でなかなか子どもが授かれない事を悩んでいて、不妊治療も考えていると彼女に打ち明けたとしたら、どんな答えが返ってくるんだろうなぁ?不妊に悩む女性に寄り添うような回答って出てくるんだろうか?
とかとか・・・色々考えたりしちゃうんですよね。
この話にオチはないのですが、このエピソードを思い出すたびに思うんです。
今、私が(不妊かも?)って悩んだりしていることは、人生トータルで考えたら、長い目で見たら、きっとムダじゃないって。
もし、結婚・妊娠・出産と順調に進んでいたら、自分の身近にある(あったであろう)、人の苦しみや悲しみや葛藤の存在に気づけなかっただろうから…。
世の中のいろんな生き方や選択があることに気づくほどに、多様性を認められる(人の選択を否定しない)やわらかくてしなやかな言動ができるようになると私は思っています。
決めつけない。
否定しない。
押し付けない。
そんな風に他人の生き方を尊重できる大きな人間になっていきたいです。